日本初の長編アニメ映画「桃太郎 海の神兵」がカンヌ映画祭で上映、BD/DVDも発売

1:yomiφ ★ 2016/05/11(水) 23:53:22.96 ID:CAP_USER.net

今年も5月11日より世界三大映画祭のひとつであるカンヌ国際映画祭が開催されますが、
今回そのクラシック部門(カンヌクラシックス)に日本から素晴らしい名作が出品されます。

それは…日本初の長編アニメーション映画『桃太郎 海の神兵』です!

■物資の乏しい敗戦間近な状況下で制作されたフル・アニメーション

『桃太郎 海の神兵』は戦争末期の海軍省の要請で製作され、1945年4月12日に公開された74分のモノクロ作品で、
製作費27万円、100名に近いスタッフを動員するなど、当時としては異例ともいえる規模で作られたフル・アニメーション超大作でした。

その内容は、太平洋戦争下の南方戦線セレベス島メナドへの日本海軍奇襲作戦を題材に、
桃太郎ら海軍陸戦隊落下傘部隊による鬼ヶ島上陸作戦の模様をクライマックスに描いたものですが、
その前に『桃太郎の荒鷲』を撮った実績のある瀬尾光世監督らスタッフは、
これを単なる戦意昂揚映画として世に出すのではなく、
それこそ当時の敵国であったアメリカのディズニー映画(瀬尾監督たちは日本軍が戦地で没収した、
当時日本未公開だった『ファンタジア』をひそかに鑑賞しています)に倣い、
子どもたちに夢と希望を与える作品をこそめざして作業に当たりました。

実際、戦闘シーンは最後の10数分で(落下傘部隊降下シーンのクオリティも素晴らしいものがあります)、
主人公のように思われがちな桃太郎はあたかも軍神としての象徴的扱いで、
むしろ本当の主人公は犬や猿など部隊の隊員となる動物たちで、彼らの牧歌的な日常こそがメインに描かれていきます。

(この趣向は、戦時中の42年暮れに公開された実写戦争映画大作『ハワイ・マレー沖海戦』と相通じるものもあります)

戦時中のアニメとは思えないほど、
まさにディズニー映画を彷彿させる滑らかな画の動きには驚嘆させられるばかりですが、
実情としてはスタッフは次々と戦場に応召され
(1943年の製作開始時には70名ほどいた現場スタッフは、44年12月に完成したとき15名にまで減っていました)、

また製作費はあっても肝心の物資がないというシビアな現実の中、
セル画は絵の具を洗い落とし、ザラ紙の動画用紙も消しては新たに動画を描くといった再利用によって、ようやく完成させた執念の作品ともいえるものでした。

また本作が公開されたころは、東京大空襲や硫黄島玉砕、米軍の沖縄上陸、
戦艦大和の沈没などなど敗戦に向かって一直線といった時期で、国民も映画など見ている余裕などなく、
『ハワイ・マレー沖海戦』公開時のように、これを見て士気を高めて戦場へ赴こうという気運すら湧き上がる暇もなかったと思われますので、戦意昂揚映画としての役割をまっとうすることはほぼなかったといっても過言ではないでしょう。

(第一、そのおよそ4か月後に日本は敗北してしまうわけですから)

一方で公開初日にこの映画を見て、アニメーションの楽しさにめざめたのが手塚治虫でした。

彼は本作に内包された作り手たちの平和への祈りや希望のメッセージこそに感嘆し、
いつか自分もこういうアニメーションを作ろうと心に誓ったのでした。

(もっとも、彼はTVアニメ『鉄腕アトム』でフル・アニメーションではなく作画枚数を極力減らした合理的なリミテッド・アニメーションを用いたことで、日本のその後のアニメ界に良くも悪くもの影響を与えてしまうわけですが)

また本作でもっとも感動的なのは、中盤の「アイウエオの歌」を動物たちが大合唱するミュージカル・シーンですが、後に手塚が制作したTVアニメ『ジャングル大帝』の中には、本作と同じように動物たちに言葉を教える際の「アイウエオ・マンボ」が登場し、オマージュを捧げています。

ただし実際、当時の日本は南方占領地における現地人の日本語教育の一環として、こういった歌を歌わせていました。
そういった歴史的事実も踏まえた上で本作に接すると、より時代の空気というものも明確に見えてくるのではないでしょうか。

なお本作は戦後GHQによってフィルムを焼却されたと思われていましたが、
1982年に松竹の倉庫でネガが発見され、リバイバル上映で再び陽の目を見ることとなりました。

>>2につづく)
https://cinema.ne.jp/recommend/monotaro2016051111/

スレッドURL:http://anago.2ch.sc/test/read.cgi/moeplus/1462978402/



スポンサーリンク



2:yomiφ ★ 2016/05/11(水) 23:53:33.36 ID:CAP_USER.net
■まるで新作のように美しい映像で世界の名作群と肩を並べての上映!

そして今回、松竹が保有する35ミリ・マスターポジとインターネガを素材に4Kスキャンし、2Kで修復。

映像監修に『母と暮らせば』『家族はつらいよ』などの山田洋次監督作品のキャメラマン近森眞史、
また今回はアニメーションということで、『紅の豚』などスタジオジブリ作品の撮影監督・奥井敦を映像監修協力に迎えています。
音響はアメリカのAudio Mechanicsが担当し、修復にあたりました。

制作は松竹映像センター、映像修復は株式会社IMAGICAと株式会社IMAGICAウェストです。

修復されたものを見させていただきましたが、かつて見たものとははるかにレベルが違う、
モノクロながら新作を見ているような画の美しさに圧倒されました。

音響も、戦時下の技術でどうしても音がこもってしまうような箇所や、
台詞と音楽がかぶさる部分などの聞き取りづらさがかなり解消できているように思います。

『桃太郎 海の神兵』は“MOMOTARO,SACRED SAILORS”の英語タイトルでカンヌクラシックに手上映されますが、
これまで同部門では木下惠介『楢山節考』や小津安二郎『秋刀魚の味』、
溝口健二『残菊物語』、大島渚『青春残酷物語』などが上映されてきました。

また今年は溝口健二『雨月物語』、マーロン・ブランド『片目のジャック』、
ジャン=リュック・ゴダール『男性・女性』などと並んでの上映となります。
これだけでも本作の価値がお分かりいただけるかと思われます。

カンヌでの反響を心待ちにしているのはもちろんのこと、日本での凱旋上映なども大いに歓迎したいもの。

そしていつの日か、本作から国策映画としての概念がなくなり、
“映画”そのものとしての素晴らしさこそが普通に語られるような、そんな平和な時代が到来してもらいたいものです。

 

7:なまえないよぉ~ 2016/05/12(木) 00:09:18.52 ID:f/3Pfu3K.net
かっこいいな

 

8:なまえないよぉ~ 2016/05/12(木) 00:12:09.26 ID:SNpyNQYz.net
モノクロって所だけ引っかかるけど
ディズニー作品と言ってもわからんレベル ガチパクリ
あと桃太郎さんの表情が怖い

手塚治虫が見てくれたことが最大の成果だな
何処で何があるかわからないものだね

 

9:なまえないよぉ~ 2016/05/12(木) 00:18:52.08 ID:anaQ0ErA.net
見たいと思うけど
色々不気味な作画だなこれ

 

13:なまえないよぉ~ 2016/05/12(木) 00:33:40.94 ID:1cj0ErCX.net
これ綺麗な映像よなー
幻想的で印象に残ってる

 

18:なまえないよぉ~ 2016/05/12(木) 00:54:02.95 ID:g3iM9pvb.net
昔の戦争映画はバカに出来ないぞ、なぜなら現代映画よりも戦いのエッセンスが
リアルに詰まっている、現代人が知らない”当たり前”がそこには詰まっている、
娯楽性は低くてもそこそこ勉強には成る。

 

24:なまえないよぉ~ 2016/05/12(木) 01:26:42.84 ID:q+CmWdvG.net
飛行機飛ぶシーンはかっこいいな

 

26:なまえないよぉ~ 2016/05/12(木) 06:25:06.50 ID:tIp6TGJc.net
フィルム残ってたのか

 

27:なまえないよぉ~ 2016/05/12(木) 06:52:25.25 ID:0m/h2nZL.net
>>26
ようつべで見れるぞ、たしか

 

33:なまえないよぉ~ 2016/05/12(木) 08:56:39.73 ID:nO5cu9P1.net
プロパガンダ映画でも上映できんだな

 

34:なまえないよぉ~ 2016/05/12(木) 09:08:21.65 ID:g/a9uo51.net
BD買うわ

 

35:なまえないよぉ~ 2016/05/12(木) 09:13:33.36 ID:DUs4gISr.net
ポパイ、プルートがカットされずに収録されるかどうか。

 

36:なまえないよぉ~ 2016/05/12(木) 09:13:43.94 ID:BNezEiZg.net
アニメの技法が確立されてない時期のためキャラクターの止め絵がなく
常にヌルヌル動く作画は当時のスタッフの苦労が伺えるなぁ

 


スポンサーリンク

関連記事

コメント

    • 映画好きな名無しさん
    • 2016年 5月 13日

    作り手がなにを作品に込めていようが、受け手には関係なかった作品の代表ということか

    • 映画好きな名無しさん
    • 2016年 5月 15日

    これ、結構素晴らしい内容だよ。
    「死」に関してもその描写は一切無く、単純に報告として誰と誰、何名が…と言う感じが
    逆に生々しくすら感じる。
    凄くさらっと戦死しちゃったよって流れちゃうんだ、それが当時の死生観でもあったのかも知れない。
    BD出たら欲しいなぁ。

下記事項に該当する内容につきましては、 管理者の判断により削除させて頂く場合がございます。
・誹謗中傷
・暴力的な表現
・第三者が不愉快な表現

スポンサーリンク

◆1月公開注目映画◆

傷物語III 冷血篇
【公開日:2017年1月6日】
傷物語III 冷血篇

ダーティ・グランパ
【公開日:2017年1月6日】
ダーティ・グランパ

アンダーワールド ブラッド・ウォーズ
【公開日:2017年1月7日】
アンダーワールド

甲鉄城のカバネリ
総集編 後編 燃える命
【公開日:2017年1月7日】
甲鉄城のカバネリ

ザ・スクワッド
【公開日:2017年1月7日】
ザ・スクワッド

ドラゴン×マッハ!
【公開日:2017年1月7日】
ドラゴン×マッハ!

僕らのごはんは明日で待ってる
【公開日:2017年1月7日】
僕らのごはんは明日で待ってる

本能寺ホテル
【公開日:2017年1月14日】
本能寺ホテル

動物戦隊ジュウオウジャーVSニンニンジャー 未来からのメッセージ from スーパー戦隊
【公開日:2017年1月14日】
動物戦隊ジュウオウジャー

PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星
【公開日:2017年1月14日】
PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星

マッドマックス 怒りのデス・ロード
ブラック&クロームエディション
【公開日:2017年1月14日】
マッドマックス

沈黙 サイレンス
【公開日:2017年1月21日】
沈黙 サイレンス

黒執事 Book of the Atlantic
【公開日:2017年1月21日】
黒執事 Book of the Atlantic

劇場版カードキャプターさくら
【公開日:2017年1月21日】
劇場版カードキャプターさくら

ザ・コンサルタント
【公開日:2017年1月21日】
ザ・コンサルタント

新宿スワンII
【公開日:2017年1月21日】
新宿スワンII

ドクター・ストレンジ
【公開日:2017年1月27日】
ドクター・ストレンジ

マグニフィセント・セブン
【公開日:2017年1月27日】
マグニフィセント・セブン

イタズラなKiss THE MOVIE2 キャンパス編
【公開日:2017年1月27日】
イタズラなKiss

僕と世界の方程式
【公開日:2017年1月28日】
僕と世界の方程式

逆アクセスランキング

スポンサーリンク

スポンサーリンク

カテゴリー

アーカイブ

映画タイトル索引

《《 邦画・洋画 》》
あ行】 【か行】 【さ行】 【た行
な行】 【は行】 【ま行】 【や行
ら行】 【わ行

《《 アニメ・劇場版 》》
あ行】 【か行】 【さ行】 【た行
な行】 【は行】 【ま行】 【や行
ら行】 【わ行

RSSフィード

スポンサーリンク