「人にできて、きみだけにできないなんてことあるもんか」

映画『STAND BY ME ドラえもん』の中で、ドラえもんが口にしたセリフ。
この言葉は、原作マンガの中に書かれている。

映画を見て、『ドラえもん』が、のび太の成長物語であり、しずかちゃんとのピュアなラブストーリーであることを思い知らされた。
子どもにだけじゃない、“すべての、子ども経験者のみなさんへ”送られた、映画に込められたメッセージとは。
大人だからこそ、心にとめておきたいセリフを紹介しよう。

■「のび太くん、未来は変えられるんだ」
そもそもドラえもんが未来からやってきた理由は、勉強もダメ、運動もオンチで、不幸な将来を迎えるのび太の未来を変えるためだった。
アニメがあまりに長く続いてるものだから、すっかり忘れている人も多いかもしれないが……。

ただこれは、ひみつ道具を使って未来を変えられるということを言っているのではない。実際、安易にタイムマシンで未来を変えようとするのび太に、ドラえもんは警告する。
そんな単純に望んだ未来が手に入るものではないと。
また、「どうせぼくなんか何をやってもダメなんだよ」と言うのび太を、ドラえもんはこう言って叱る。
「どうせって言ってあきらめていたら、いつまでたっても今のままだよ。
それでもいいの？」未来を変えるためには、まず現在の自分の気持ちから変えていくしかない。

■「ドラえもんはきみの……ぼくの子どもの頃の“友達”だからね。ドラえもんとの時間を大切にしろよ」
大人になった未来ののび太が、子どもののび太へ言うセリフ。
大人が聞くからこそ、この言葉の重さを痛感するハズだ。
筆者自身、子どもの頃はよくアニメのドラえもんを見ていた。
いつの間にやら、他の子ども向け番組とともに見なくなってしまった。
筆者にとってもドラえもんは「子どもの頃の“友達”」。きっとこの映画も、人から誘われない限り見に行くこともなかったと思う。

けれど映画を見て、かつて自分ものび太と同じように、いじめに立ち向かい、
好きな女の子にがんばって告白した日のことを思い出す。……まぁ、立ち向かったところで勝てなかったし、告白も断られてしまったのだが。
それでも、かつて勇気をくれたのは、ドラえもんだったかもしれない。

■「ぼくのせいでしずかちゃんが不幸になるのは、もっとつらいんだ」
最後は、のび太の、しずかちゃんへの純粋な思いがあふれたセリフだ。
ただあこがれているだけじゃない、好きで、本当に大切にしたいと思っている。…

だからこそのび太は、一度しずかちゃんと結ばれることを諦め、自分からわざと嫌われにいこうとしさえする。
このエピソードは、「しずかちゃんさようなら」というタイトルで、原作本にも収録されている。

「人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことができる。
それが人間にとって一番大切なことだからね。彼なら間違いなくきみを幸せにしてくれる」
しずかちゃんの結婚前夜に、彼女のパパが言う有名なセリフ。この言葉の理由は、前述のエピソードにこそ描かれている。
一人の女性に対して純粋な思いを貫いたからこそ、のび太は幸せをつかむことができるのだ。

……まったく、小学校時代の幼なじみと結婚だなんて、大恋愛以外のなにものでもないじゃないか。
なんて純情な物語なんだ、ドラえもん！

べつに、ドラえもんについてそこまで詳しくなくっていい。
ひみつ道具も、どこでもドアとタケコプターしか思い出せないくらいの記憶でいい。
必ずどこかに、「なつかしい」と感じるものがある。そこの部分にこそ、きっとだれもが「ドラ泣き」する。

この映画には、最新の映像技術や豪華なスタッフなど他にも注目すべきところはたくさんある。
けれど、まだ見てない“すべての、子ども経験者のみなさん”、変な先入観など何も持たず、まずはその物語にふれ、震えてほしい。
（平原 学）

http://www.excite.co.jp/News/laurier/howto/E1408090190878.html

ドラさんカッコよ過ぎだろ…

幸せな未来を変えられたしずかちゃんが可哀想
漫画GS美神でも未来で自分が横島と結婚する事を知った美神が横島を殺そうとしたじゃん
しずかちゃんも同じ事をすると思う

未来のなんでもアリな道具を使ってピュアなラブストーリー（）