俳優・玉木宏（３７）が８日、大阪・北区の梅田ブルク７で主演映画「悪と仮面のルール」（来年１月１３日公開、中村哲平監督）の先行上映会で舞台あいさつに出席した。

　今作は、芥川賞作家・中村文則氏の原作小説を映画化。父から完全な「悪」となるべく殺人鬼として育て上げられた男・文宏を演じた玉木は「今までにはない役でしたね。一言で悪役とも言いにくい」と難しい役どころを振り返った。

　整形して別の人物として生きながらも、新木優子演じる大切な女性を守るために殺人を繰り返していく。
「僕はもちろん整形の経験はないですが、別の顔を手に入れると、自分の表情をうまく作れないんじゃないか。その違和感を何とかして出せないかなと思った」と振り返った。
知り合いの鍼灸（しんきゅう）師に顔面に鍼（はり）を５０本くらい打ってもらった後に外して包帯を巻き、その感覚を保ったまま整形直後のシーンに臨んだという。

　アップの場面も多く、「整形しても変わらないのは、目だったり、心の中だったり、今まで持っていた癖だと思うので」と、わずかな目の動きやたばこをくゆらせたりするしぐさなど、繊細に表現することを意識した。

　また、劇中では美しい肉体美も披露。ＮＨＫ連続テレビ小説「あさが来た」（２０１５年）では、役に合わせて約１０キロ増量していたそうで、ドラマの撮影終了から２か月後に今作の撮影に入ったためにボクシングや水泳などで体を動かしながらダイエットしたと明かした。